お葬式で使われた白木のお位牌。受け取って家に持ち帰ったものの、本位牌に変える時期がわからずにそのまま飾っておいても大丈夫なのか疑問に感じる方もいるのではないでしょうか。
この記事では、白木のお位牌を変えるタイミングや役目を終えたお位牌の処分方法について、わかりやすく解説します。
白木のお位牌とは?
白木のお位牌とは、葬儀のときに祀られる白木で作られた位牌のことです。
別名を「仮位牌」や「野位牌」といって「戒名」「命日(亡くなった日)」「俗名(生前の名前)」「亡くなった年齢」などが記されています。こうしたお位牌には、供養される方が何歳で亡くなった誰なのかを識別する役割があり、お葬式後は、基本的に家族が引き取ることになります。
白木のお位牌はいつまで飾って良いか
お位牌には白木のもの以外にも、黒い漆や金箔が塗られた塗位牌、黒檀や紫檀が用いられている唐木位牌など、いわゆる「本位牌」と呼ばれるものもあります。そのため白木のお位牌を引き取ったものの使い続けていいのかわからない、本位牌に買い替えた方がいいのだろうかと疑問に思う方も多いでしょう。
結論から言えば、「白木のお位牌は四十九日に本位牌に替えるのが最もよい」です。
なぜ四十九日なのかというと、七七日(しちしちにち)を意味する四十九日に死後の霊の行き先が決まるとされているからです。つまり、白木のお位牌は四十九日の法要で役目を終える「仮の位牌」です。
もともと長持ちするようには作られておらず、簡易な作りになっています。それゆえ大きな節目である四十九日までに丈夫で永く祀ることができる本位牌を用意し、白木のお位牌から本位牌に故人の魂を移すことが望ましいとされているのです。なかには「白木のお位牌を使い続けてはならないという絶対の決まりはない」という人もいるかもしれませんが、役割を考えると、やはり作り替えが推奨されます。
本位牌は四十九日の法要で用いられますので、仏壇店で注文をして出来上がるまでの時間(通常10〜14日間程度)も考えて準備を進める必要があります。ただし、出来上がった本位牌が手元に届いても、法要前に白木のお位牌を処分しないように注意してください。お寺さまによる開眼供養(魂入れ・お性魂入れ)により故人の魂は本位牌に移るとされているため、それ以前に白木のお位牌を替えてはならないと覚えておきましょう。
また、浄土真宗では「人は亡くなると誰もが浄土に帰る」と考えられているため、教義上、霊は存在せず、お位牌自体も用意せず、一般的には過去帳を用います。これからお位牌を作るという方は、ご自身の宗派なども含めて、親戚や菩提寺に前もって確認を取るとよいでしょう。
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もしも四十九日を過ぎてしまったら
人によっては、特別なお位牌を用意したいなどの事情により本位牌の出来上がりが四十九日を過ぎてしまうというケースも考えられます。最近では本位牌にもさまざまな種類があり、白木のお位牌から替える際にこだわりをもつ方も珍しくありません。
特に自宅に仏間がないという場合や、洋風のインテリアに合うお仏壇を持っている場合など、本位牌も住環境に馴染むデザインを選んでいるという人は多くいます。黒塗りの漆と金箔、または唐木でできたような伝統的なお位牌とは異なる「モダン位牌」を飾るケースが昔よりも増えているのです。
もしも本位牌の用意に時間がかかる場合、早い段階で四十九日に間に合わないことがわかっているのであれば、事前にお寺さまにお伝えしておくことをおすすめします。
同様に、特別なお位牌をお作りになるなど、特殊な事情がある場合もお寺さんに相談しておくと良いでしょう。本位牌が仕上がり次第、お寺さまにお位牌ができたことを報告し、法要の段取りを相談しましょう。
役目を終えた白木のお位牌の取扱について
四十九日の法要が済んで故人の魂を本位牌に移した後は、白木のお位牌を処分しなくてはなりません。通常、役目を終えたのお位牌は、白木の祭壇とともに葬儀屋に引き取っていただくか、お寺に引き取ってもらうかのいずれかになります。法要後にそのままお寺から処分について教えていただける場合もありますが、そうでない場合はご家族から質問をするか、葬儀社に連絡を取るかしましょう。
また、白木のお位牌にすでに故人の霊が宿っていないとはいえ、あまり粗末に扱ってはなりません。適当な処分をせずに、きちんと処分しましょう。
白木のお位牌はあくまで“仮”のお位牌
お葬式後に引き取る白木のお位牌は、あくまでも「仮のお位牌」です。長持ちするようには作られていません。それゆえ死後の霊の行き先が決まるとされる四十九日までに、本位牌を用意する必要があります。それまでに間に合わない場合は、仕上がり次第、法要を執り行うお寺さまに報告・相談をするようにしましょう。
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