はじめての仏壇選び

お仏壇

ほとんどの人にとって初めての経験で、わからないことだらけの仏壇選び。

そもそも仏壇とは何のためにあるのか、どのように祀るのかを知ることで、伝統的なものや現代的なもの、そもそも必要なのかも含め、自分の気持ちやスタイルに寄り添う方法が選べるはずです。

※宗派や菩提寺、地域によって、仏壇の種類や方角などに細かな決まりごとがある場合もあります。特定の宗派が決まっている場合には、まずお世話になっているお寺に確認するとよいでしょう。

そもそも仏壇とは?

「亡くなった家族の位牌や写真を祀るための場所」と思われている方も多いのですが、本来仏壇とは仏様を祀る祭壇であり、家庭内の小さなお寺として位置づけられるもの。お寺にお参りをするのと同じように、日常的に仏様や先祖への感謝を伝える場、そして心穏やかに自分自身と向き合える場でもあります。

歴史を遡ると、日本では仏教が伝わる以前から「魂棚(たまだな)」という祭壇を作り、先祖の霊を祀る習慣がありました。さらに江戸時代になると幕府により「寺請制度」が導入され、すべての人がどこかの寺院の「檀家」となったことから、一般家庭に広く仏壇が普及したと言われています。やがて亡くなった方の魂が宿るとされる「位牌」を仏壇に祀る習慣が生まれ、仏教の信仰に沿って先祖の霊を供養するようになりました。

かつては和室に仏壇を置くための「仏間」を設けることが一般的でしたが、ライフスタイルとともに間取りの欧米化が進んだ今、仏壇の形も多様化しています。都会の暮らしにフィットするコンパクトなものや、インテリアに合う家具調のもの、宗教色の薄いアートなオブジェのようなものまであり、それぞれの形で心の安らぎを感じたり、自由に故人と思いを通わせるためのものになってきています。

仏壇の種類

大きくは、伝統的な「金仏壇」「唐木仏壇」、現代的な「家具調仏壇・モダン仏壇」と呼ばれるものに分けられ、それぞれ設置場所に合わせて「床置き」と、棚の上などに飾るための「上置き」タイプがあります。宗派による指定や決まりごとがある場合もあるので、まずはお世話になっているお寺に確認をするとよいでしょう。

金仏壇

大原13号
ショップウィンドウを開く
ショップウィンドウを閉じる

漆と金箔を使い、蒔絵や彫刻などの華やかな装飾が施された伝統的な仏壇。寺院そのものを象った形状で、極楽浄土を表現していると言われています。

唐木仏壇

唐黒檀や紫檀、欅や桑、杉などの銘木をはじめとした、木材の質感や木目を活かした伝統的な形の仏壇。

家具調仏壇・モダン仏壇

仏壇OMOKAGE / 椅子ENISHI
ショップウィンドウを開く
ショップウィンドウを閉じる

仏教の伝統を踏襲したものから、宗教とは無縁のものまで、デザインや素材もさまざま。伝統的な仏壇である「金仏壇」「唐木仏壇」以外のものの総称。

仏壇の中には何を入れるの?

本来、仏壇には宗派によって阿弥陀如来や釈迦如来、曼陀羅など、信仰の対象である仏像や掛け軸の「ご本尊」をお祀りします。

それに加えて位牌、仏具としては「三具足(みつぐそく)」「五具足(ごぐそく)」と呼ばれる「香炉」「燭台」「花立て」や、叩くとチーンと澄んだ音色を響かせる「おりん」、そのほかにご飯やお茶をお供えするための道具などがあります。

現代的な仏壇では、そうした従来の仏教の形式から離れて、写真だけ、お花だけなど、自由なスタイルで心の拠り所とするものが増えています。

仏壇を置く場所は?

特に決まりはありません。

リビング、ダイニング、寝室など、どこにでも置くことができます。まれに宗派や地域によっては方角に考えがある場合もありますが、基本的には向きもレイアウトに合わせて自由に設置して大丈夫です。木製なので日焼けや湿気によるダメージを防ぐため、​直射日光の当たらない風通しのよい場所に置くとよいでしょう。

購入のタイミングについて

家に仏壇を迎えたいと思ったら、いつでもそのときがタイミング。

家の新築、引越しやリフォームを機に買い替えを行う方も多いです。買い替えの場合には、古い仏壇の処分について仏壇店に相談してみましょう。

仏壇の金額はどのくらい?

全国平均は約35万円。小さなものでは5〜15万円程度のものから、300万円など高級なものもあります。

「家具調仏壇・モダン仏壇」はオンラインでも手軽に買えますが、比較的高価な「金仏壇」や「唐木仏壇」を検討する場合には、仏壇店で実物を見ながらプロに相談をして決めると安心です。

暮らしに寄り添うものを、自由に選べばいい

仏壇選びは堅苦しく考えすぎず、それぞれの基準で自由に選んでいいのだということを知ると、少し気が楽になったのではないでしょうか? 

仏壇は伝統や宗教に繋がるものなので、決まりごとを守らなければと身構えてしまうけれど、何よりも大切なのは仏壇を迎える人の気持ちです。

家の中に手を合わせる場所があることで、宗教を超えて故人を偲び対話をしたり、命の繋がりに感謝の気持ちをもったり、心が安らぎ、素直になれるもの。ライフスタイルやインテリアに合わせて、長く付き合っていけるものを手に入れましょう。