この前、知人の家に行ったら、玄関に入った途端なんだかいい香りがして…
聞いてみたら、来客がある前に、玄関でお線香を焚いてるんだって。なんだか憧れちゃうな。
そうですよね。
旅館や料亭でもお線香を焚いてお客様をもてなすことがあります。わざわざ来てくれた人への心遣いがうれしいですよね。お線香はおもてなしとしてはもちろん、自分自身のために使うこともできるんですよ。
確かに自分も使ってみたいと思ったよ。
その知人の家にはお仏壇があるから、お仏壇用の線香を買うときに部屋用線香も一緒に買うと言ってたけど、私の家には仏壇がないんだよね。お仏壇が家になくてもお線香を使ってもいいの?
もちろんです!
そもそもなんでお仏壇でお線香を焚くの?
もともとお線香などのお香は、宗教的な場面で使われてきました。
現在でもその役割は残っています。
最近では、このような宗教的な役割の他にも使用されます。たとえば…
使い方のルールや難しい決まりごとはないので、安心してくださいね。
なるほど。
でも、決まりがないと余計に悩んじゃうな。まず何を用意したらよいかな?
まずは、お好みのお線香。それに香立てと香皿、マッチやライターを用意してください。
うんうん。香立てや香皿は好きなものを選んでもいいの?
はい。好みで選んで大丈夫です。
お線香はどうやって選べばいいの?お香初心者で選び方がわからないんだけど…
そうですね。
いわゆる「お線香」の香りといわれる、伝統的な雰囲気がお好きでしたら、「白檀(びゃくだん)」の香りは、親しみやすいかもしれません。
白檀は聞いたことがあるよ。
白檀は英語でサンダルウッドといい、お香のなかでもポピュラーなもののひとつです。
白檀の他に別の香料がブレンドされて作られているものもあるので一概には言えませんが「甘い香り」と表現されることが多いです。
甘い…?
ちょっと専門的なのですが、お香の香りは「五味(ごみ)」という甘い・すっぱい・辛い・苦い・塩辛いといった5種類の味覚で表現するんです。
私個人は落ち着いたふくよかな香りだと感じます。香りの感じ方に間違えはありません。是非ご自身で感じてみてくださいね。
香りの世界は奥が深そうだね。白檀のほかには…?
「沈香(じんこう)」も有名ですよ。
それも聞いたことがある。
奥ゆかしい「お寺のような香り」だと言われます。
白檀が「甘い」と言われるのに対して、沈香は「苦い」と言われることもあります。
ほかにも最近では、ラベンダーやローズ、コーヒーや緑茶など、香りをイメージしやすいものもたくさんあります。そういったものからはじめるのもおすすめです。
コーヒーのお線香!ちょっと想像ができないけど興味があるな。
じゃあ、お香を使うときに気をつけることはある?
気をつけたいポイントは2つです。
最後に聞きたいんだけど、インターネットを見てたら、棒状のスティックタイプの他に三角形と渦巻きタイプもあったんだけど、どれを選んだらいいの?
お仏壇で使う場合はスティックタイプのお線香が一般的ですが、お部屋用の場合は好みで選べます。特徴をお話しますね。