
この前、知人の家に行ったら、玄関に入った途端なんだかいい香りがして…
聞いてみたら、来客がある前に、玄関でお線香を焚いてるんだって。なんだか憧れちゃうな。

そうですよね。
旅館や料亭でもお線香を焚いてお客様をもてなすことがあります。わざわざ来てくれた人への心遣いがうれしいですよね。お線香はおもてなしとしてはもちろん、自分自身のために使うこともできるんですよ。

確かに自分も使ってみたいと思ったよ。
その知人の家にはお仏壇があるから、お仏壇用の線香を買うときに部屋用線香も一緒に買うと言ってたけど、私の家には仏壇がないんだよね。お仏壇が家になくてもお線香を使ってもいいの?

もちろんです!
家にお仏壇がなくても、お線香は使うことができます。

そもそもなんでお仏壇でお線香を焚くの?

もともとお線香などのお香は、宗教的な場面で使われてきました。
現在でもその役割は残っています。
身を清めたり場を浄化したりする
そのはじまりは古代インドの宗教儀式だったと言われています。現在でも南インドのマイソールという土地は高品質な香木の産地として有名です。
お線香の香りや煙が供養になる
インドで使用がはじまったお香は、仏教が発展していくなかで供養のためにも用いられるようになりました。日本でも、お仏壇に手を合わせるときや法事の際には欠かすことのできないものとなっています。

最近では、このような宗教的な役割の他にも使用されます。たとえば…
好きな香りを嗅いでリラックスしたり、気持ちを切り替えるために
好きな香りを嗅ぐと、自然と気持ちが緩みリラックスすることができます。ヨガなど自分時間を満喫するときにもぴったりです。
お客様をおもてなしするシーンでも活躍
気になる生活臭を消し、おもてなしの気持ちを表すことができます。いつものお部屋がすこし特別な空間に変身。また、嗅覚と記憶は密接な関わりがあるので、楽しい思い出が、より印象的になるかもしれません。

使い方のルールや難しい決まりごとはないので、安心してくださいね。

なるほど。
でも、決まりがないと余計に悩んじゃうな。まず何を用意したらよいかな?

まずは、お好みのお線香。それに香立てと香皿、マッチやライターを用意してください。

うんうん。香立てや香皿は好きなものを選んでもいいの?

はい。好みで選んで大丈夫です。
お線香を使うときに必要な「香立て」と「香皿」には、いろいろなデザインがあります。気に入ったものを集めてシーンや季節で使い分けるのも楽しみのひとつです。

お線香はどうやって選べばいいの?お香初心者で選び方がわからないんだけど…

そうですね。
いわゆる「お線香」の香りといわれる、伝統的な雰囲気がお好きでしたら、「白檀(びゃくだん)」の香りは、親しみやすいかもしれません。

白檀は聞いたことがあるよ。

白檀は英語でサンダルウッドといい、お香のなかでもポピュラーなもののひとつです。
白檀の他に別の香料がブレンドされて作られているものもあるので一概には言えませんが「甘い香り」と表現されることが多いです。

甘い…?

ちょっと専門的なのですが、お香の香りは「五味(ごみ)」という甘い・すっぱい・辛い・苦い・塩辛いといった5種類の味覚で表現するんです。
私個人は落ち着いたふくよかな香りだと感じます。香りの感じ方に間違えはありません。是非ご自身で感じてみてくださいね。
香りの感じ方は人それぞれで自由です。まずは「なんだかいい匂い」で大丈夫!

香りの世界は奥が深そうだね。白檀のほかには…?

「沈香(じんこう)」も有名ですよ。

それも聞いたことがある。

奥ゆかしい「お寺のような香り」だと言われます。
白檀が「甘い」と言われるのに対して、沈香は「苦い」と言われることもあります。
ほかにも最近では、ラベンダーやローズ、コーヒーや緑茶など、香りをイメージしやすいものもたくさんあります。そういったものからはじめるのもおすすめです。

コーヒーのお線香!ちょっと想像ができないけど興味があるな。
じゃあ、お香を使うときに気をつけることはある?

気をつけたいポイントは2つです。
火気に注意
夜のリラックスタイムにもおすすめですが、寝る前はお線香の火が消えているかを確認してください。
保管は直射日光の当たる場所や湿度の高い場所は避けて
特に湿度の高い場所で保管をすると香りが変化することもあります。きちんと保管をすればお線香に使用期限はありません。お気に入りのお線香は特に気を付けてくださいね。

最後に聞きたいんだけど、インターネットを見てたら、棒状のスティックタイプの他に三角形と渦巻きタイプもあったんだけど、どれを選んだらいいの?

お仏壇で使う場合はスティックタイプのお線香が一般的ですが、お部屋用の場合は好みで選べます。特徴をお話しますね。

このように、どういったシーンで使うかで選んでみてください。

なるほどね。新しい趣味ができたようでわくわくするよ。

お線香を含むお香は、およそ1400年の歴史があるといわれています。
長い歴史のなかで、目的や原材料、形状を変えてさまざまなシーンで使われ続けています。あまり気負うことなく香りの世界を楽しんでくださいね。
家にお仏壇がなくても、趣味のひとつとしてお線香は使用することができます。
まずは、「お線香」「香立」「香皿」「ライター(マッチ)」を用意して、気軽にはじめてみてください。
暮らしのなかにお線香をプラスすると、いつもよりちょっと心地よく過ごせるはずです。