子どもの頃、家にあった「お仏壇のある部屋」
いつもは電気が消えていて、入るとひんやりしていた気がする

大切な人を想う祈りの時間が、あたたかく豊かなものであるように、「こうあるべき」という地平をひらりと飛び立つ軽やかなお仏壇をつくりました。

あなたらしく飾って、毎朝リビングでおはようを言って、これからも増えるたくさんの写真に一緒にうつって

かけがえのない家具として家族の日々の営みを見守り、ずっと先の未来まで一番近くで支えてくれます。

手を合わせ、語りかけることで、感情がやわらかくほぐれていくかけがえのない場所

そんな心の拠りどころとして、親から子へ、子から孫へ受け継がれ、守られてきたのがお仏壇でした。

連綿と続くその雄大な営みを、ライフスタイルが多様化する現代においても紡ぎ続けたいと考えました。

先祖代々の仏具やいずれ増える新しいお位牌。
日常の何気ない写真も一緒に引き継げるように、重視したのは素敵な外観

未来の家族にとっても、想い出や、たくさんの気持ちを詰め込んだ
宝箱のような存在になることでしょう。

信仰の拠りどころ
ご先祖様の居場所
故人との語らいの時間

家の中の小さなお寺であるお仏壇には、たくさんの役割がありました。
暮らしが変わっても心の在りようを支える大切な存在。
ささいな想いもあまねく包み込む、そんな強さを持つ存在として、仏閣に流れる凛とした空気ごと形にしました。

洗練された立ち姿に向き合うとき、自然と背筋が伸びる、特別な時間が生まれます。